ガラス張りの食品工場

 ガラス張りの食品工場、そんなモダンな施設が誕生しました!・・・という話では全くありません。というのも、あなたの食品工場だって、すでに「ガラス張り」になっているからです。
 ということで、本日のお題は『透明性』について、です。
 twitter,facebookなどのSNSの台頭は、現代の生活を語るうえで切り離せないものになりました。便利なコミュニケーションツールである一方で、何気なく行った投稿がキッカケで、良くも悪くも多方面に影響が生じてしまうこともあります(拡散)。

 消費者がある商品を購入するかどうかの判断をする際、今まではTVCM・新聞広告・雑誌の広告・企業のパンフレットなどが主でした。もちろんそれは現在でも一定の年齢層には有効で、有名人がテレビの中で「私も使用しています」と発言すると商品が売れて行きます。
 一方で、録画したテレビのCMを飛ばして見ている方や、新聞を全く読まない方が増えてきているのも事実です。インターネットが普及したことによって、新聞や雑誌を購入していない方も増えてきています。年々、発行部数は右肩下がりで、休刊が相次いでいます。

 現在、消費者が商品を購入するための判断材料は、個人が発信した情報によるところが多くなってきています。企業主体の「宣伝」ではなく、個人ベースの「口コミ」にシフトしたと言ってよいでしょう。
 主な発信源は、ブログ・Youtube・instagram・twitter・facebookなどのSNSです。企業によっては、会社のアカウントを登録して、facebook上で情報を発信しているところもあります。

 「この商品が美味しかった」「この商品を食べて寝ざめが良くなった」と、ネット上で広がるのはすばらしいことだと思います。しかし、裏を返せば、「こんな粗末な原料で商品を作っている」「忙しい時は洗浄をしていない」などと、ネガティブな情報を出されてしまう可能性もあるのです。

 たしかに、発信源を特定することはやぶさかではありません。工場内部の情報を知り得る人間は、ごくわずかだからです。あなたの会社の懲罰規定に従って対処すれば良いのですが、物事はそう簡単には進みません。なぜなら、情報はすでに発信されてしまった後なので、その事後対応にものすごいコストがかかるからです。
 工場の中で使用している原料・作業工程・設備・働いている従業員の雰囲気などの情報を、SNSを通じて工場のファンを増やすことにつなげる。この考え方は間違っていませんし、むしろこれからの工場管理に必須の要素だと思っています。

 飲食店でも、オープンキッチンのところが増えてきましたよね。ちなみに、日本のお寿司屋さんはそもそもオープンキッチンでした。回転寿司が世に出回るようになってから、レールの向こう側に壁が出来て中身が見えないキッチンが増えてきたのです。見えないところで作っているからこそ、使用している食材は「使い回しだ」「偽装食材だ」と言われるような環境ができあがってしまいます。

 正々堂々といつ何時、ネットに投稿されてもいいような、「透明性」をもった工場の管理と従業員スタッフの教育が求められています。

 「下手な情報を発信されてしまって馬鹿な工場だな・・・」と、他人事として捉えるのではなく、そういう時こそ「うちは大丈夫か」と自分の工場で同じようなことが起きないように未然予防を行う事が大切なのです。

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