令和の時代が幕を開けてまだ間もないですが、西暦でみてみると来年は2020年で、東京オリンピックの年なんですよね。それを機に、今以上に他の国から日本へやって来る方が増えます。文化や風習の異なる彼らは、食品に関しても私たちの考え方とは異なる基準を持っています。
ということで、今日のお題は『アニマルウェルフェア(動物福祉)の考え方』について、です。
畜肉系の原材料を使用していない場合であっても、頭の片隅に入れておいて損はないはずです。数年後に「初めて聞いた・・・」という状態にならないようにしたいですね。
アニマルウェルフェアとは
アニマルウェルフェア(Animal Welfare)は、直訳すると、動物の幸せ・幸福・福利厚生という意味になります。日本では「動物福祉」と言われています。
原料として使用している鶏卵や肉を産みだしてくれている動物たちの目線にたって、一生を幸せに過ごしてもらうためには、我々人間はどうしたら良いかを考えるのがアニマルウェルフェアです。
たとえば、卵を産む鶏であれば、卵を産み育てる環境や、卵を産み終わってから食肉用に処理されるまでの環境が、鶏にとって幸せな一生
を送っているかどうかに着目するということです。
より自然な環境を重視する
採卵鶏は、通常ケージ(金網でできたとりかご)の中で飼育します。その広さがどの程度あれば、幸せな生活といえるのでしょうか。そもそも、ケージで飼うこと自体が、動物の幸せになっているのでしょうか。本来、鶏は囲いのない広い庭で砂浴びをしながら、自由に生活をして卵を産んでいました。効率の良い飼育方法を実現するために、ケージ飼いが選ばれています。広さは、経済効率だけを考えて決められているといえるでしょう。
通常は60cm×40cmのケージに、7羽程度飼育しています。この大きさが、日本の標準的なサイズになります。しかしながら、EU(欧州連合)では、ケージで飼う鶏舎の新規建設は認められていないそうなのです。
命の最後をどう迎えるか
鶏の処理方法は、生きたまま意識のある状態で鶏の足をぶら下げ、コンベアで回っている時に、首を切り放血されます。この生きて意識のある状態で、コンベアに乗せられ、首を切られる行為が幸せかどうか、本来であれば麻酔で眠らせてから、コンベアにかけるべきという意見もあります。
我々の食生活のために生きている動物たちの一生が、本当に幸せかどうかまで、真剣に考えていく必要があります。この問題は、日本に限ったことではなく、人類共通の問題です。オリンピックという大小さまざまな国の人たちが集う機会だからこそ、きちんと認識しておくべきなのです。
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