あなたの工場の生産性をあげるには・・・

 最近やたらと、『働き方改革』というスローガンを見たり聞いたりすることが多いですね。東証一部上場企業などでは、10年くらい前から進められていた政策のように記憶しています。付随する考えとしてあげるとすれば、「メンタルヘルス」や「フレックス出勤」、それに「ワークライフバランス」などでしょうか。

 ざっくり言えば、だらだら働かずに終わりの時間を決めて効率よく仕事しましょうねってことですね。もちろん、時間を短くした分、売上も減りますっていうのでは本末転倒です。売上を維持あるいは増収を目指しながら、時間と労力を減らしてそれを成し遂げるということが期待されています。それを一言で表現すると、「生産性の向上」になるワケです。

 で、もちろん我々人間だけでなく、工場にも生産性の問題は存在しています。

 ということで、本日のお題は『食品工場における生産性の向上』について、です。

 工場のキャパシティの限界までラインを稼働させる一方で、待機時間(アイドリングタイム)を短くできれば、生産性は向上します。と、口で言うのはカンタンですが、これを成し遂げるにはいくつか把握しておかなければいけないポイントがあります。

 包装機の稼働率を上げる手順を例にとって考えてみましょう。 

≪ポイント1.設備能力を把握する≫
 1分間に何ショット動くのか、それを把握します。機械の設定上、25ショットなら1時間に1,500パックを製造できることになります。

≪ポイント2.設備能力が上がらないか検討する≫
 設備をいじることで、この25ショットというラインを増やせないか検討してみます。仮に、1分間あたり25→30ショットに増やせたとすると、1時間1,800パックできる事になります。「いじる」と表現しましたが、設備に手を加える際は、必ず工場長や現場責任者が直接メーカーに問い合わせるようにしてください。
 現場任せにすることで、知らない所でいじられて本来の商品設計に支障が出るケースや、「これ以上忙しくなると困る」という理由でわかっていても対応しないケースがあるからです。

≪ポイント3.設備の稼働は100%を目指す≫
 包装機が稼働しているときには、常に能力いっぱいで動かすことが大切です。「1分間で25ショット」という本来の能力にたいして、実際に25ショットで動いているでしょうか。動いてないとすれば、そこに持っていくためには、どうしたらいいか考えることが大切です。

≪ポイント4.フイルム交換等の待ち時間を短くする≫
 フル回転で稼働しているようになったら、次はフィルム交換などの待ち時間を短くするためにはどうしたらいいかを考えます。
待機時間は意外とたくさんあります。朝の立ち上がり時間、フィルム交換時間、印字の交換時間、休憩・昼食の時間、製品アイテムの交換時間などです。このそれぞれの時間を短くすることで、生産性の向上につながります。

≪ポイント5.サニテーション方法を検討する≫
 洗浄殺菌の必要な箇所を確実に洗浄しているか、もしくは予備の部品と交換しているか、中間サニテーションを昼の食事中にできないかなどを検討する事で、作業効率はあがり衛生状態も良くなるのです。

≪ポイント6.日報を作成し記録する≫
 品質管理の基本です。行き当たりばったりでやったり、目視だけで済ませるのは最も避けなければいけない行為です。毎日日報をつけて検証し、色んな人の目に触れさせるようにしましょう。それがやがて、意識の醸成につながり、結果として生産性の向上につながるのです。

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