危機管理の基本のキ

大型連休が明けて、日中の気温も徐々に上がり始めました。早い所では、さっそくクールビズを実施されている企業もあるようです。気温があがってくるとどうしても気になるのが、温度管理です。特に、お弁当などのお惣菜や要冷蔵・要冷凍の食品には注意が必要です。

最近では、お昼になるとどこからともなくやってきて、オフィス街の道端で弁当を机の上に並べて販売している業者をちらほら見かけます。仕出し弁当屋さんであることもあれば、飲食店が店内だけでは飽き足らずに、店前で販売していることもあります。

この時期だけではなく、年中です。価格帯がお茶を付けても500円程度なので魅力的に映るのか、正午過ぎになると長蛇の列ができています。(もちろん、私は絶対に買いません)

いったい温度管理はどうしているのでしょうか。不思議でなりません。現に、その中のある業者は、数年前に食中毒事故を起こし営業停止になっています。大きなニュースにはなっていませんが、私ははっきりと覚えています。

ということで、今日のお題は『危機管理の基本のキ』について、です。

人間はミスをする

電車を移動手段のメインとして使っている私からすれば、月曜日の朝はとても心配です。なぜかというと、鉄道が人身事故で止まってしまうことがよくあるからです。特に、学校がはじまる4月・9月や、連休明けの日によく起きているような気がします。
鉄道会社は、定時運行も大切ですが、人身事故が起きない仕組みを作ることも欠かすことはできません。
ホーム上での構内放送で乗降客に注意喚起を行い、万が一ホームに落下してしまった時のために待避所の設置をしてあります。そして、落ちてしまった人を見かけた時のために、電車を止める非常停止ボタンがあります。
また最近では、駆け込みや転落防止策として、ホームドア(あるいはロープ)が取り付けられるようになりました。
不注意でホームから落ちて亡くなった方のご遺族が、鉄道会社を対し、「なぜホームドアの設置をしていなかったのか、設置していればホームに落下しなかったのではないか」と具合に裁判を起こせば、鉄道会社に過失が無いとは言えないと考えられます。

危機管理の基本は、人間はミスをするものと考えます。たとえ、故意にミスを起こしてしまっても、事故に発展しないような仕組みを二重三重に想定しておく事が大切です。

食中毒事故を防ぐために

日本の食中毒で一番発生しているのは、ノロウイルスによる食中毒です。ノロウイルスの食中毒を防ぐには、手洗いに始まり手洗いに終わる、と言われています。それだけ、「手洗い」は重要な要素なのです。
食品工場で働く従業員の方がトイレに入り、用を足したとします。そこで手を十分に洗わないと、従業員の手からノロウイルスが製品に付いてしまう事は十分に考えられます。ノロウイルスや細菌の食中毒を防ぐためには、二重三重の対策が必要です。
その中で最も大切なのは、「従業員教育」です。
トイレに行った後は、手を十分に洗う事、石けんをつけて30秒以上揉み洗う事。手をすすいだ後に、アルコールで更に手を十分に洗う
事など、小学生でもわかる内容なのですが、実際この2点でノロ対策はかなり効果をあげます。
そのうえで、トイレで手を洗った後に、再び製造現場に入る前は手を洗い直す事、アルコールなどで殺菌する事、食材に触れるときには手袋を付ける事、手袋で床に落ちたものを拾った時などには手袋を交換する事をルール化するのです。
このすべての項目が、ノロウイルスに対する二重三重の対策です。

考えうるリスクを洗い出し、それについて一つ一つ丁寧に対策をたてることが、危機管理の基本のキです。とはいえ、炎天下の中、平然と弁当を販売しているお店ではお話になりませんが・・・

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