アレルゲンの管理と対策


冬になると、手軽に調理できて栄養満点な鍋が重宝しますよね。かくいう私も、ずっと鍋で良いって思うくらい大好きなメニューです。最近では、1,2人世帯の小鍋用スープが充実しています。キューブ状の固形だったり、ポーション状の濃縮スープだったりします。味も醤油・塩・キムチなど、たくさん出ています。コンビニでも売っていますしね。
これから年末年始を迎えるわけですけど、食卓にもちょっと贅沢な一品が並びます。鍋なんかでも普段の具材に加えて、タラバガニを入れてみたりして。見た目も華やかです。食べ物の好き嫌いがあまりない私なんかからすれば、ここぞとばかりにたくさん食べてしまうんですけど、甲殻アレルギーの人からしたらたまったもんじゃありませんね。知り合いに何人かいるんですけど、その時は別メニューになってしまっています。忘年会の時、みんながカニすきを食べている中、彼だけはアワビのステーキを食べてましたのを思い出します。

ということで、本日のお題は「アレルゲン」について。
あなたの工場(キッチン・厨房)では、アレルゲンの管理が適切に行われていますか?
以前、ある洋菓子メーカーさんに工場点検に伺った際、その管理を全くと言っていいほど気に留めていない工場(当時はまだ「工房」の大きさだった)がありました。
アレルゲンの症状が出る方にとっては、微量であっても口に入れてしまうと生死の問題になってしまいます。一度アレルギー症状を起こしてしまうと、適切な処置を受けないと呼吸が出来なくなり死に至ることもあります。今からちょうど6年前に、東京都の調布市の小学校で、乳アレルギーを持つ女児が誤ってチーズの入ったチヂミを食べてしまったために帰らぬ人となりました。
アレルゲンの事故は、ほんの些細なミスが危機的状況を作ってしまう典型例です。絶対に防がなくてはなりません。そのためにはまず、表示義務のあるアレルゲン(「特定原材料」)と、その他に発症の可能性のあるアレルゲン(「特定原材料に準ずるもの」)の取扱には充分な注意が必要であることを従業員に教育します。
「特定原材料」とは、えび・かに・小麦・そば・卵・乳・落花生の7品目を指します。そして「特定原材料に準ずるもの」は、あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・くるみ・ごま・鮭・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ゼラチンの20品目を指します。全部で27品目になりますが、これらの原材料については暗唱できるくらいにまでならないといけません。
そのうえで、材料の保管場所の区分、掃除道具の区分、製造時に表示の無い商品と混ざらないようにすることを周知徹底します。
アレルゲンの濃度レベルが数μg/ml、またはその含有レベルが数μg/g以上でアレルギー物質が検出されるということであれば、特定原材料を使用している旨の表示が必要になります。ただし、極端な表示(考えられるアレルギー物質をすべて列挙するなど)は、かえってわかりづらくなりますので、必要の無いものまで表記に加えることは止めた方が良いでしょう。
また、加熱すればアレルゲンがなくなると思っている方もいらっしゃいますが、それは誤解です。加熱してもアレルゲンはなくなりません。
さきほど、アレルゲンの事故は「絶対に防がなくてはいけない」と言いましたが、確率論からいって起きてしまうのは否めません。発生件数をゼロにするのは現実的に厳しいものがあります。ですので、万が一アレルゲンの症状を発症してしまった人が出た場合の対応についても、充分に教育しておくことが肝要です。

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