カレーうどんの中から出てきたモノは・・・


つい先日、近所の商店街のうどん屋さんでカレーうどんを食べた時の話です。カレーとうどんの組み合わせは好きで、特に出汁のきいた関西のカレーうどんはほんとに美味しいです。例によって、また汁まで飲む勢いで食べていたら、口の中でガサッって聞こえたんです。
やば・・・また歯の詰め物が抜けたのかなって思って恐る恐る確かめてみたら、ちゃんと入ってる。なんだ気のせいかと思って食べ進めたら、今度もガサガサっていう。明らかにヘンなのでビビりながらも口の中から出してみたら、ビニール袋の大きな切れ端が出てきました・・・
実物を見てすぐにピンときました、これはカレーの出汁が入っていたビニール袋の切れ端です。縦横3センチはありましたよ。調理の際に、スープの中に混ざってしまったんでしょうね。

ということで、本日のお題は『異物混入(ビニール片)』について、です。

食品製造現場で発生する異物混入のうち、毛髪混入の次に多いのがビニール類です。
毛髪混入を防ぐには、作業者一人一人の意識改革も必要になってくるのでなかなかなゼロにはできませんが、ビニール片の混入は必ず防げます。それではどうやったら、ビニール片の混入をゼロにできるのでしょうか。

≪対策その1.≫ 透明のビニールを使用しない

一度、製造現場で使用しているビニール類をすべて集めます。厚さ・材質・色に加え、何に使用しているのかまで整理してリスト化します。その中で、透明のフイルムがあった場合には、それを使用しないようにすることを第一に考えます。
原材料を包装しているフイルムが透明の場合は、材料メーカーと交渉し、透明のフイルムを使用しないようにできないか検討しましょう。包装した後に、中身の状態を確認するために透明なフィルムが必要な商品もありますね。そのような場合は、開封する部分だけでも、色を付けた包装資材に変更させることが必要です。
フィルムの色は、使用している食材にフィルム片が混入した場合に発見しやすい色にします。一般的には、食品にあまりなじみのない濃い青色がお勧めです。

≪対策その2.≫ 開封場所を決める

ビニールを開封する場所をきちんと定めましょう。
開封する食材を専用台の上に1パックのみ乗せて、専用のハサミなどで開封します。その際には少しコツがあって、切り離される方の包装資材をハサミを持っていない方の手でつかんでおきます。ハサミで切った後は、切れ端を手から離すことなく、そのままゴミ箱に入れるようにします。カットする食材は、必ず作業台の上で一つ一つ開封することが大切です。横着に2,3つまとめて切るなどということのないようにしましょう。
私が食べたカレーうどんに入っていたビニール片は、おそらくこれでしょう。切り離される方をしっかりつかんで切れば、スープの中に落ちることは防げたはずです。

≪対策その3.≫ ハサミは定期交換する

開封時に使用するハサミは、定期交換が必要です。きれいに切れない場合は、破片が混入する恐れがあります。

≪対策その4.≫ 教育を実施して点検すること

ビニール片混入を防ぐためには、従業員スタッフの教育が必要です。
食材毎の包装資材の開封方法を決めて、徹底的に教育します。教育を行う際は、上記の対策ががきちんと実現できる環境を整えてからにしましょう。そうでないと意味がありません。
費用をかけて、外部講師(「コンサル」と呼ばれることも多い)に教育を委託するケースもありますが、あまりお勧めしません。「あの話は理想論だから・・・」と受け取られてしまい、現場は現場で今までどおり、改善されていない作業を続けてしまう現場もあるからです。

その後は、教育どおりの作業が現場できちんと行われているかどうかの確認を行います。教育した方法と異なる作業を行っている場合は、頭ごなしに責めるのではなく、なぜ教えられたとおりにやらないかをヒアリングします。そこにはちゃんとした理由があるはずで、それを解決しない限り、現場はうまく回りません。

4つの対策を挙げましたが、一番肝心なのは責任者であるあなた自身が、ビニール混入は必ず防げると強く思うことです。

衛生管理・品質管理でお悩みの食品製造業・飲食店のオーナー様必見!「衛生管理・品質管理のポイント」を解説したレポートを進呈中です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です