帳票のファイリングの仕方

 昨今、私たちの身の回りで『ペーパーレス化』の取り組みが進んでいますね。会社でも役所でも推進されているし、ひょっとしたらご自宅でもそうされている方がいらっしゃるかもしれません。

 毎年2月3月は確定申告の時期なので、税務署は長蛇の列になります。3月15日が締切なので、明日明後日辺りはすごく混雑することでしょう。かくいう私も毎年確定申告をしていますが、今年からはe-TAXという制度を使って、ペーパーレスで申告したのです。
 昨年まではテンプレートで作った申告書を印刷して、わざわざ提出しに行っていましたから(受付は17時まで)、便利な世の中になったなぁと思います。

 一方で、完全に紙をなくせるかというと、そうではありませんね。もしかしたら、減ってないような印象すらあります。それだけ情報量が爆発的に増えているってことでしょうね。

 食品工場の品質管理において、帳票に記録することはとても大事な作業のひとつです。それがないと、やった・やらないのように水掛け論になってしまうからです。そして、「記録する」のと同じくらい大事なのが、「保管」です。

 せっかく記録をしていてもきちんと保管ができていなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。過去に訪れた工場の中にも、産地証明書がスッとでてこない企業がありました。原料メーカーから取り寄せたまでは良かったのですが、保管ができていないとなると、それはもうその工場の問題になってしまいます。
 それに、『ISO』では帳票の記録は求められますが、ファイリングの仕方まで決められているわけではありません。高額なお金を投資してISO制度を導入したとしても、きちんと運用されなければ、リターンがあまりにも少なすぎます。

 ということで、今日のお題は『帳票のファイリング』について、です。

 各工場によって、いろいろな管理方法が考えられますが、主に下記の4パターンに集約されると思います。あなたの工場では、どのように帳票をファイリングしていますか。 

1.現場のバインダーに綴じられたままになっていて、回収していない
2.事務所に雑然と置かれている
3.各現場ごとにファイリングされている
4.事務所で確認のうえ、ファイリングされている(一元化されている)

≪1.現場のバインダーに綴じられたままになっていて、回収していない≫
 毎日手紙を書いても、誰も読んでくれなければ、書きたくなくなりますよね?それと同じで、担当者が記録した帳票類は、責任者の誰かが毎日確認することが大切です。

≪2.事務所に雑然と置かれている≫
 「段ボールの上に無造作に置かれている」、「何も考えずに綴じられている」、「帳票の裏側をすぐにメモ用紙として使ってしまう」・・・これでは管理しているとは言えないでしょう。

≪3.各現場ごとにファイリングされている≫
 私の経験でいうと、このパターンが一番多かったと思います。先の工場がまさにコレでした。
 必要に応じてその都度、品質管理の担当者や幹部社員の方が現場の帳票を探しに行くのですが、しばらくすると手ぶらで戻ってきます。大体皆さん、「いつもはチェックしているんですけど、この日の分だけはなぜか見つかりませんでした」とおっしゃいます。

≪4.事務所で確認のうえ、ファイリングされている(一元化されている)≫
 たとえば、ラベルの日付チェックは、本来日付をセットした人が責任をもてば、それで済むはずです。そのうえで、ラインの責任者とダブルチェックを行えば、日付ミスは起こらないはず。にもかかわらず、日付の印字ミスはなくなりません。
 現場の日付の帳票を現場でチェックした後、「事務所」で確認すれば確認ミスに気がつくはずです。
 ここでいう「事務所」とは、現場の管理者以外の方がチェックするというのがポイントです。

チェックポイント
・帳票がすべて連番通りにそろっているか
・帳票の記入するところが全て満たされているか
・管理者のチェックがあるか
・異常値の処置、ロットの区分がされているか
・日付の内容が合っているか

チェックした帳票は、日付ごとにファイリングをして、賞味期限が過ぎた時点で廃棄していくのがベストの方法です。

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