『ラベル』管理のポイント

商品の『表示』と聞くと、枠内のいわゆる「一括表示」だけのように思いがちですが、実は商品パッケージに書いてある事すべてが対象になります。食品事故による商品回収の約半分は、誤表示によるものです。自主回収には多額の費用がかかります。そして、それに応対するのに、時間も人手も取られます。
 商品に記載されている言葉について、すべて「エビデンス・ベース」で考えます。理論的に説明できるか、そのための根拠があるかを確認します。
 例えば、「業界初の〇〇」と表示していた時、何をもってそういえるのか、また業界の二番目はどこになるのかの資料が必要です。よく見かけるものの中に、「天日干し〇〇使用」という商品があります。使用されている原材料が、本当に天日干しされた物なのか、原料規格書の確認が必要になります。

一括表示点検の項目
1. 一括表示の表示項目が足りているか
2. 一括表示の文字の大きさは8ポイント以上か
3. 原材料は使用重量の多い順になっているか
4. 添加物は使用重量の多い順になっているか
5. 固有記号は届出書と合致しているか
6. 製造者・販売者は届出書と合致しているか

1.一括表示の項目が足りているか
一括表示に記載が必要な項目は商品によって異なります。必ず、法律と照らし合わせたうえでの確認が必要です。

2.一括表示の文字の大きさは8ポイント以上か
一括表示の文字の大きさは、8ポイント以上必要です。表示可能面積が狭い(150cm以下)の場合は、5.5ポイント以上でかまいません。食品の表示は見やすく書くことが大切です。

3.原材料は使用重量の多い順になっているか
(水以外の)原材料は使用している量の多い順に記載します。加工でんぷんを使用している場合は、現在は「添加物」扱いになるので、原材料表示ではなくなります。原材料を多い順に、計算根拠となる書類を確認していきます。

4.添加物は使用重量の多い順になっているか
使用している添加物は使用量の多い順に記載します。「添加物の多い順に記載することなんかできない」「計算しようがない」「原料メーカーが公表してくれない」などの声を良く聞きました。
公表してもらえないメーカーの原料は使用してはいけません。特に、外食向けの原材料を製造しているメーカーは要注意です。外食のカテゴリーでは添加物表示が求められていないため、いい加減な表示を行っている場合が多くあるからです。

5.固有記号は届出書と合致しているか
製造者・販売者の後ろに記載されている製造所固有記号がきちんと届けてあるかどうか、届けている住所が合っているか。製造工場と販売者の両方の住所、屋号が合っているか確認します。

6.製造者・販売者は合っているか
製造者の住所・屋号は、必ず保健所発行の営業許可証と照らし合わせて確認します。私が点検した中で、実際と異なるケースが多々ありました。先入観を持たずに点検を行う項目です。

 ラベル表示の確認は新鮮な目で行うことが大切です。「間違えていない」という前提で確認するのではなく「間違えているかも知れない」という気持ちで点検しましょう。

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