一事が万事・・・食品工場の玄関と駐車場からわかること

 『一事が万事』、『神は細部に宿る』という格言は、すごく腑に落ちていて気に入っています。細かくて小さい事の積み重ねなのですが、おざなりにしていると、結局全部がダメになってしまうという戒めですね。他人から見れば、見透かされているということです。
 食品工場や厨房の中を覗かなくても、お店の衛生状態や従業員スタッフさんの雰囲気を見ていれば、中がどんな状態なのかは想像がつきます。

 嫌味なく丁寧に応対してくれる会社の工場は、整理整頓されていてキレイですよ。もちろん改善点がないわけではないのですが、それもちゃんと聞き入れて改善しようとしてくれます。反対に、玄関や駐車場がキレイでない会社の工場は、やっぱりキレイではありません。昨日慌てて片付けた痕跡さえ、見つけられる時もあります。土壇場で取り繕っても仕方がないのですが・・・

 ということで、今日のお題は『品質管理も一事が万事』、です。

 単刀直入にいえば、工場の衛生管理の基本は整理整頓です。元にあった場所にモノを片付ける、必要のないモノは作業場に置かないなど、小学生が教わるような基本的な内容です。

 先ほど申し上げたとおり、整理整頓ができていない工場に、衛生管理の向上を求めるのは至難の業です。駐車場や玄関が雑然としている工場は、来訪者から訪問する価値の無い工場という目線で見られます。
 なぜなら、玄関や駐車場は、従業員スタッフだけでなく、役員や経営者自身も使うはずだからです。責任者でもある管理者が、駐車場が汚い事・玄関が汚れている事に対して、注意も出来ず平然としている事を象徴しているからです。

 事務所・応接室に関しても同じです。管理者は事務所にいる時間の方が、普通は長いものですね。にもかかわらず、事務所や応接室の清掃状況が不完全であれば、現場はよりひどい状況と推察されます。事務所が雑然していて、それを翻すかのように作業場の方はキレイだったという経験は私にはありません。

 私は工場点検の際、少し早めに駐車場に着いて、工場の周りをグルっと見て回っていました。窓が開けっぱなしになっていないか、雑草が伸びていないか、ゴミはきちんと処分されているか、水たまりはできていないか(虫の発生源となる)・・・チェック項目は挙げればキリがありません。
 そして、工場に入る玄関では、下駄箱・スリッパの置き場所・ドアの汚れ・対応してくれる事務員の応対など、すべての様子を見ていました。

 クレームが多発した工場では、抜き打ち検査を行ったことがあります。作業が早朝から始まるケースだったので、作業開始時間に合わせて朝早くから現場にはいって点検を実施しました。
 早朝に突然伺うと普段の様子が浮き彫りになります。応接室には、前日に使用した灰皿とコーヒーカップなどがそのまま放置されていました。応接室の置物、本棚の中などが綺麗に磨かれているか見渡します。

 会社更生法の対象になる直前の工場に点検を行ったことがありますが、応接室のワニ剥製や鷲の置物はホコリまみれでした。もちろん、机の上を掃除した様子もなく荒れ果てた状態でした。

 たまに、コピー用紙などが直接床においてあるオフィスもありますが、事務所の床の上でも直接物が置かれていないか、点検を実施します。机の下も同じで、ファイルが床の上から積み重ねられていることなどないようにしましょう。

 一事が万事・・・工場の駐車場・玄関・応接室・事務所の管理ができていない工場は、作業場も同様に管理できていないものです。

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