『安全な職場環境』は、従業員スタッフの「会話」からはじまる

 食品工場やキッチン厨房の「品質管理」と聞くと、商品の製造工程を指しているかのように受け取れるかもしれませんが、実はもっと広い意味で用いられます。食品の製造現場は、ヒトで成り立っていますから、そこをおざなりにしてしまうと良い物が作れません。オートメーション(機械化)が進んでいる大きな工場であっても、最終的には従業員スタッフの知識や技術の成熟度が重要になってきます。
 ヒトを扱ううえで、大事なのが安全面の管理です。

 ということで、今日のお題は『安全な職場環境作り』について、です。

 事故を未然に防ぐためには、従業員スタッフへの教育を含めた「企業文化」を創りあげることが必要です。
 食品工場の労災件数で最も多いのは転倒事故ですが、その中でも、階段での転倒事故は大ケガにつながります。それを防ぐためには、「階段を降りる時は必ず手摺りを持つこと」のようにルールを作り、朝礼などで周知徹底を図ります。他の事故も同様に、いつ起こるかもしれないと常に想定し対策をしたうえで、従業員スタッフの教育を実施します。

 教育を行っても、手摺りを持たずに階段を降りる方もいるでしょう。その場合は、誰がその行為をチェックする仕組みになっているかも、大事なポイントです。小学校のようなことで辟易するかもしれませんが、一事が万事です。些細な事を見逃していると、いつか大きな災いをもたらすものです。声をかけて注意し、再度朝礼などで指導します。全体の場では、個人の名指しは控えましょう。

 この一歩の積み重ねが、「企業文化」の醸成につながります。階段を降りる時に、全員が手摺りを持って降りるようになったなら、それはとてもすばらしいことです。とはいえ、全員が一斉となるとなかなか骨が折れるものです。手摺りを持たずに降りている方がいたら、見かけた方が会話を通じて注意しあえるような雰囲気が大切なのです。

 かくいう私も、工場に行ったときに、一度だけ注意されたことがあります。後から聞いたら、注意してきたのは、新入社員だったそうです。つい最近、安全教育を受けたばかりだったようで、とても清々しく思えました。
製造現場で大切なのは、まず、労災を起こさない安全教育です。従業員スタッフの安全さえも守れない工場では、商品を購入していただいたお客様の安全を守れるはずはないのです。

 安全な職場環境を作るのに、上司も部下も関係ありません。経営者だとしてもいっしょです。立場は違えど、安全意識の面では常にフラットです。会話を通じて、お互いに確認しあい注意しあえる雰囲気が大切なのです。

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