悪いのは誰?


 またまた、残念なニュースです。これは完全にアウトだな~。生鮮三品(魚・肉・野菜)の次に流通がタイトな日配品を扱っていた僕にはその事情がよくわかります。誘惑に駆られそうになることもあるでしょう。でも、やったらダメなことはやったらダメ。

 こういうモラルハザードが絡んだ問題は忘れた頃にやってきますね。(この前はCoCo壱番屋が廃棄した冷凍カツの再利用だった)似たようなニュースを聞く度に、残念になるし色々な思いがこみ上げてくるんですけど、立場でそれぞれ言い分はあるんですよね。
今回の件を例にとって考えてみます。

 まず、オーナー側からすると、廃棄ロスは全部自分が被らなきゃいけないから何としてもそれを回避したい(少なくしたい)んです。たとえば、あなたが食パンを売っているとしますよ。朝から販売をスタートして18時くらいになると、本部からやってきた担当者に「売れなかった分はあんたの報酬から天引きな!」って言われたらイヤな気持ちになりますよね。

 それなら初めから、食パンを少なめにしておくっていうのは選択肢としてはあり得ます。でも、その分売上が減ってしまう場合もある(チャンスロス)。それに、開店のタイミングで陳列棚がスカスカだったら、買う側の印象ってあまり良くないんですよ。「この店大丈夫?」ってなりますから。コンビニの本部からしたら、それが一番イヤなんですね。「看板」が汚れてしまうので。

 で、店舗担当者にしてみたら、「昨対比」っていう数字がついてまわるので、常に「もっともっと」なんですよね。クリスマスケーキにしたって、節分の恵方巻にしたって、お花見の時期のお酒やジュース・おにぎりや弁当にしたっていっしょの理屈なんです。彼らはサラリーマンだし、ボーナスや昇給の評価はその数字が基本になります。

 消費者からすると、常に新しくて新鮮な物を買いたい!って思いますよね?皆そうだとは言わないけれど、陳列棚の奧の方に手を伸ばして、少しでも新しい賞味期限の物を買おうとしている人をたまに見かけませんか??

 今回の報告を読んでいると、危機管理の具合はさすがLAWSONだなって思います。ちゃんとしてますね。「ちゃんとしてる」っていうのは、まともな事が書かれているということです。

 新規防止策の一部を抜粋すると、「剥がして貼り替えが出来ないように強粘着タイプのサーマルシールを導入」や「店内調理製造区画へカメラを設置(新店・改装店より順次)し、店舗巡回指導時に確認」となっています。
 だけど、このコストっていったい誰が負担するんでしょう?オーナーだって、本部だって、ましてや店舗担当者だって、ごめんこうむりたいですよね。結局そのしわ寄せって消費者にくるんじゃないでしょうか?
 それってみんなが望んでた結果なのかなって思うのですよ。

 今回の件は、たしかにオーナー(店)側に落度があります。もちろん、それを擁護する気はさらさらありませんが、こうした裏側の事情も知っておいてほしいよなぁと思います。

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