吟醸一番しぼりを熱燗で・・・


 この日は地元飲みでした。関東出身とはいえ、大阪に来てから12年も経ってしまうと、こっちがすっかり「地元」の気分になってしまうのです。まぁ僕からすれば、都会でも田舎でも、落ち着ける場所ならどこでも良いんですよ(笑)どっちにしたって、一長一短はありますしね。そんなことを議論したって意味はないと思います。昔から「住めば都」っていうでしょ。
 家の近所で飲みに行くところは数軒あって、そのひとつが創作旬菜なかをです。住宅街の中にあるので一見入りづらいですが、板前出身の店主が作る料理がすごく美味しくて値段もリーズナブルなお店です。

 カウンターを眺めていたら、なにやら見慣れないお酒が置いてあって、『冬季限定 一番しぼり吟醸生原酒 ふなぐち菊水』と書いてあります。なんでも、加水調整も加熱殺菌を一切行っていないしぼりたてのお酒で、冬にだけ出回るんだそうな。こういうのは味見がてら飲みたくなってしまうのです(笑)飲み方はもちろん熱燗で!
 ちょっとお勉強がてら・・・よく「純米」「吟醸」とか耳にすると思うんですけど、日本酒って9種類に分かれるんですよね。(1)純米大吟醸酒、(2)大吟醸酒、(3)純米吟醸酒、(4)吟醸酒、(5)特別純米酒、(6)純米酒、(7)特別本醸造酒、(8)本醸造酒、(9)普通酒です。(1)~(8)までが「特定名称酒」と呼ばれていて、さらに(1)~(4)までが「超高級酒」となります。(9)のいわゆるパック酒ってやつです。コンビニやスーパーで並んでる大きいサイズのやつです。
 そのうえで、「純米」と謳われている純米グループと、そうでない非純米グループに分かれます。前者は純米と米麴のみで作られていて、後者にはそれに醸造アルコールが加わります。アルコールにアルコールを入れるの?って思うんですけど、要するに焼酎のこと。これにはちゃんと目的があって、アルコール度の低いお酒は製造工程で雑菌などにやられてしまうため、焼酎を日本酒に混ぜて防いでいるんだそうです。いわば防腐剤ってことですね。ここまででやっと第一段階です。
 ここから先は、「精米歩合(お米をどれだけ削っているか)」と「低温でじっくり発酵させたのか、そうでないのか」という基準で分けていきます。今回飲んだ『一番しぼり吟醸 ふなぐち菊水』というやつは「吟醸酒」なので、醸造アルコール入り(非純米グループ)で精米歩合が60~50%かつ低温でじっくり発酵された日本酒、ということになります。
 どれが美味しいかは好みの問題もあるから、優劣をつけても仕方がないと思うので、それは品評家にまかせます。それよりも、料理と合うのかそうでないのかの方がよっぽど大事だと思うし興味があります。
 肴として選んだのが、『じねんじょマグロ和え』と『春キャベツと菊名のコールスローサラダ』でした。『じねんじょマグロ和え』はいかにも熱燗の肴って感じが漂っていますけど、『コールスローサラダ』って意外でしょ?春キャベツと菊名っていうところに魅かれてしまったのです。選んで大正解(笑)上手いこと作ってありましたね~。酸味と野菜の甘さが絶妙で、お酒にピッタリでした。この菊水って吟醸酒も、ほのかに甘さがあって口あたりなめらかで良いです。美味い食事をした時って、自然と顔がほころんでしまう感覚ってわかります?この時はまさにそれでしたね~。いやぁごちそうさまでした。料理とお酒の組み合わせって大事ですよ。

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