なんで、自分でやろうとするの?

 セブン&アイグループが満を持して導入した、キャッシュレス・サービスの「7Pay」がさっそく炎上しちゃってます。
 僕の最寄りのコンビニがセブンイレブンということもあって、ポスターを見た時に登録して使ってみようと思ってたんですよ。7月1日にサービス開始になった矢先、4日には不正利用が発覚して、現在は利用停止および新規登録もできない状態です。展開が速すぎて、驚いています。

 わずか4日で、総額5,500万円(900人)の被害なんだそうな。しかも、その辺の中堅クラスの企業がやらかしちゃったんじゃなくて、今日のコンビニエンスストア業界において、他社の追随を許さないあのセブンイレブンが・・・ですよ。おいおい大丈夫かよって、思わず声に出してしまいました。(結果、大丈夫では全然ありませんでした)

 原因は不正アクセスによるもので、中国などの海外の複数の国から攻撃されちゃったみたいですね。

 でも、セブンイレブンに同情の気持ちは湧いてきません。だって、それを前提でシステムを組まなきゃダメでしょ?ましてや、資本の少ない中小零細企業じゃなくて、お金に恵まれた大企業がやってることなんだもん。一体何やっちゃってんの?って話なワケで。

 詳細は専門家の方に譲るとして、ざっくり言うと、パスワードの再発行をする際、登録したメールアドレス以外のアドレスにも新しいパスワードを知らせるメールが送信できてしまうことや、SMSに数字などのコードを送って入力させる「二段階認証」の仕組みを採用していなかったことが、問題点として挙げられています。

 7Payの社長が記者からの質問に対し、「二段階認証?」と聞き返したうえに、途中から「二段階云々」と表現をぼやかすくらいのレベルなんだから、さもありなん。二段階認証を組み込んでいた「PayPay」でさえ、不正を防げなかった事例を忘れたの?

 なんだか、この手のIT系の話になると、セブンイレブンって迷走しちゃうんだよな~。
 インターネットショッピングサイトの「オムニセブン」をスタートしたのは2015年なんだけど、その時すでにマーケットにはAmazonや楽天などがすでに浸透しちゃってたし、品揃えもかなわなくて全然拡大しなかった。
 それではダメだと、2018年に「セブンアプリ」をリリースするも、同じタイミングで「PayPay」や「LINE Pay」などのキャッシュレス決済サービスが現れて、ファミリーマートやローソンはすぐにこれを店頭で使えるようにしたんですよね。

 ちなみに、同じ日(7月1日)にファミリーマートが「ファミペイ」を開始したけど、こっちは貯まったポイントが、ドコモの「dポイント」や「楽天ポイント」と連携するようになっている。発想が「ファミペイ」はオープンで、「7Pay」はクローズド、といったところかな。

 でね、僕が思うのは、なぜ何でもかんでも自分(自社)でやろうとするのよ?ってこと。すでにあるプラットフォームを使えば良いじゃん。この時世、自社で全て完結しようなんてのは、傲慢以外の何ものでもないと思うんだけど・・・ましてや、ITの世界なんかは日進月歩で技術が進むんだから、餅は餅屋に任せないと、単なるロス(時間的・金銭的)にしかならない。今回の件がまさにそうでしょ?

 自前でやるって、聞こえはいいけど、あたりまえの事でもなければ、特別かっこいい事でも何でもない。むしろ、得手不得手を判断して、自分(自社)の強みを伸ばすことに、時間と労力を注ぐべきではないだろうか?

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