『特別定額給付金』について思うことをいくつか

特別定額給付金・・・新型コロナウィルスの感染拡大の影響に伴う、緊急経済対策のうちのひとつ。緊急事態宣言が出されて、色んな場面で行動が制限されることになったので、それに対する日本国民への見舞金のようなもの。4月27日時点で、日本の住民基本台帳に登録されている者を対象に、ひとり一律10万円がもらえる制度です。受給者は世帯主です。

つい昨日4/30に補正予算が成立して、本日5/1からオンラインによる申請が始まっています。※地域ごとで異なります

(将来のために一応書いておくと)こうなるまでは紆余曲折あったんですよ。というのは、当初は「生活支援臨時給付金」という名目で、新型コロナウイルス等の影響に寄り収入が大きく減少した世帯に対して、一世帯あたり30万円の現金を給付する予定でした。

一見すると、給付金が30万円→10万円になっているので、ケチりやがってちくしょー!という気持ちになってしまいそうなのですが、よく読むと中身が全然違うのがわかりますね。
当初は「一世帯あたり(条件付き)」だったのが、「ひとり一律」に変わっているのです。全然規模が違うんですよ。前者が約4兆円の事業費に対して、後者は約12.7兆円になります。緊急の経済対策(財政出動と金融政策の連動)が目的なんだから、スピードをもって規模を大きくやらないと意味がないのです。

安倍首相は一律給付を念頭に置いていたみたいなんだけれど、取り巻きの麻生財務大臣や岸田政調会長らに反発されて、4月3日時点では彼らの主張を飲んだわけなんです。
麻生財務大臣にしてみれば、リーマンショックに対する経済対策として2009年3月に定額給付金を打ち出したものの、結果的にほとんど効果がなく「選挙目的のバラマキ」と批判されたのが頭の片隅にあるんでしょうね。でもね、その時の給付金って覚えてます?たったの12,000円だったんですよ(若年者と高齢者は2万)。そんなくらいで効果がでるわけないでしょうに。まぁこの辺りは、財務省や経産省の筋書き通りなんでしょうけれど。

2009年3月といえば今から11年前で、僕が社会人3年目くらいの時ですけど、全然記憶にありません。受け取ったのかな?もしかしたら、「国の世話にはならない」とかかっこつけて申請しなかったのかも。うーん、それくらいインパクトがなかったってことなんしょうね。話がそれました・・・要するに、”規模を大きく”というのは、緊急時の財政出動の大原則なのです。

僕としては、また失策を繰り返すのかと半ばあきれ果てていたのですが、これも時代の流れなのか、SNSをはじめとした世論が黙っていませんでした。最終的には公明党の力に依るところが大きいのですが、4月17日になると、安倍首相が当初の給付金制度を撤回して、ひとり一律現金10万円を給付することに切り替えることを表明したのです。

一旦は条件付き世帯30万円で進んでいたので、急遽補正予算の「組み替え」となって、成立したのがGW連休直前の4月30日だったんですね。タラレバを言い出せばキリがありませんが、初めから一律10万円でやっていればドタバタしなくてもよかったんじゃないのかなと思います。とはいえ、平成の30年間が経済政策の失敗ばかりだったことを考えると、1歩前進したことに違いはありません。

ただ、それでもまだまだ規模が足りない。米国はすでに300兆円規模の経済対策を打ち出しています。GDPの規模で考えれば、日本はアメリカの4分の1くらいなんで、75兆円やって同じくらい。
一概には比較できないにしても、今回の補正予算はおおよそ23兆円程度なので全然足りていないのです。日銀が際限なく引き受けるって言ってるんだから、政府が国債を発行すれば良いんですよ。日銀の破綻?ご安心ください。日銀はお金を刷れます。

これが正論。というと必ず、「財源がない」「国の借金が増える」「将来世代へのツケ」「ハイパーインフレが起きる」という声があがってくるんだけれど、どれもまったくのウソですから。

ざっくりいうと、

・財源がない → 刷ればイイ(増税なんて論外)
・国の借金 → 悪質な印象操作、正しくは「通貨の発行量」。現在はデフレ、つまり通貨の発行量が足りていない状態。
・将来世代へのツケ → 国債の発行と引受が自国内にて行われている限り、それは起こらない。
・ハイパーインフレになる → 物価が130倍くらいにならないと起こりません。現在の日本では起こす方が困難。

新聞・テレビではまことしやかに言われてたりしますから、気をつけてくださいね。だから、テレビを見たり新聞を読んだりしない方が良いですよ。実際、僕はそうしています。

そうそう、「特別定額給付金」はぜひ皆さんに受け取っていただきたいです。いや、受け取らないといけない。自己消費するにせよ、他へ寄付するにせよ、使い道は受け取った後で決めたら良いんでね。

実際の申請について、色々と書こうと思ったらそこまでいかなかった(笑)また次回書きます!

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