カラスの勝手でしょ

あーやられた。雲一つない果てしなく広がる青空の下、盛大にしてやられた。

志村けんはかつて、「カーラースーなぜ鳴くの~?カラスの勝手でしょ~」という替え歌で一世風靡し、全国のお茶間を賑わせ、子どもたちの心を鷲づかみにした。

だけど、今日に限って言えば、泣きたいのはこっちの方なのである。

いつものセブンイレブンでお昼ご飯を調達し、頭の中であれやこれやとブツブツ呟きながら意気揚々と自宅に戻る途中、突然「ピシャッ!」っという破裂音のようなものが聞こえてきたのだよ。それは、スーパーのビニール袋を雑に畳んだ時に出る音に似ていた。

コンビニのビニール袋が体のどこかに触れた音なのかなと思ったりもしたが、それにしては音が大きすぎるのだ。数秒前の出来事をよくよく思い返してみると、歩いていたのはちょうど電線の真下で、なにやら「ビチッ!」という音も混ざっていたような気もしてきて、僕の顔はみるみる青ざめていったのである。

口は禍の元・・・

悪い予感は的中・・・見事にぶちまけられたのである。
おい、カラス。聞くが、貴君はなぜ、その他大勢が歩く道の中でおれを選んだのだ?そして、なぜ今でなければならなかったのだ?
もちろん返事などあろうはずがない。まさに、カラスの勝手なのである。

カラスのやつを憎たらしく感じたものの、瞬時に思考の切り替えができたのは、日頃の精進の賜物なのか、はたまた単なる能天気なアホだからなのか・・・それは読者賢君の判断にまかせるとして、振り返ってみれば、ここ数日のおれは汚い言葉を吐いていた。

いつもなら使うことのない、クソ・ボケ・カスを連呼していた、しかも意図的に。「意図的に」というのは、自分自身がイライラしていて、発する言葉でストレスを解消しようとしていた節があるから。

これってまさに、おれが引き寄せちゃったわけです。単なる確率論で割り切れるほど、おれの頭は理系モードになっていないのである。仮に、確率がわかったとしても、「なぜおれだったのだ?」という問いは残るのでね。

バッグだけに留まらず、服の右肩辺りにもかけられたわけだが、見方を変えれば、盛大にツイていたのである、ウンが。だって、カラスくんのそれが黄金色なんだもの。禍を転じて福となす・・・
カラスくん、おれで良かったね。貴君を恨む気持ちなどありません。掃除が大変だったけど、ウンを付けてくれて、有り難いことだと思っています。ありがとう。

あ、次からはやる前に一言かけてね。合図がほしい。だってほら、誰しも心の準備っていうものが必要じゃないか。

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